第8章 ♡安息地(ひだまり)みつけた(孤爪研磨)生誕記念 完結
チラッと隣に目をやると
その子は悲しそうな顔して
指に光るリングを見つめてる
さっきの奴に貰ったのかな?
いつまでも付けてんのる
不要アイテムなんだから
捨てれば良いのに
別に言わないけど。
ただ、黙って
指輪を見つめる
その子を見てると
それに気付いたのか
『未練がましいでしょ?
でも、男の人から貰った
初めてのプレゼントなんだよ?
可愛くない?捨てるの…
可哀想…じゃない…?』
おれを、見て眉を下げながらも
必死に笑い掛けてくる
「別に…好きにすれば…?」
あ、やっちゃった…
だって
気の利いた言葉なんか知らないから…
その子は
溜まってる涙を必死に堪えて
『…ごめん…迷惑だよね
こんな話…』
おれに引き続き笑って見せた