第8章 ♡安息地(ひだまり)みつけた(孤爪研磨)生誕記念 完結
呆けてるその子に
ジュースを押し付ける
『良いの?』
涙目がジッと
おれを映してキラキラする
「別に…おれも
喉乾いてたから…ついで…」
ヤッパリ苦手。
こういう真っ直ぐで
懐っこい犬みたいなのは
疲れるし
じゃあ、なんで?
『ありがと!嬉しい!
喉乾いてた!』
…理由なんかない。
「あっそ」
ゲームする時間が潰れた穴埋め
それだけだし。
ジュース1本で尻尾振るとか
単純…
別に良いけど…
チョコンと隣に座って
グーッと喉にジュースを流して
”美味しい”って笑う顔は
嫌な気しなくて
おれもジュースに口を付け
特に何にも話さず缶の中身は
残り少なくなって行く
こういう沈黙って
他の人は嫌なのかな?
おれは静かなのが好きだけど