第66章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋②（宮侑、宮治）

「可愛エエな
その顔、治知らんやろ？
もっと見せぇ…」

いっその事、とか
下心が覗き
グイッと近付けた顔

目の中に大きく映った
サクラの顔に
俺の下心が萎んでいく

怯えてたから？
違う。

「サクラ…
困らしとんのは
分かってんねんけど…
これ以上、治と姫凪の事で
あんな顔するサクラを
見たないねん…
俺が忘れさせたるから…
な？頼む…今度の日曜…
待ってるから…な？」

俺がこんな事してる今より
さっきの方が
心が揺れてんのが分かったから。