第62章 互いの熱で甘く…(黒尾鉄朗)バレンタイン2019 完結
こんなベタな展開漫画かよ…
やばい
どんな顔して姫凪を
見たら良いか分かんねぇ
『…ごめん…ウソ…
だって…逢えないって言わなきゃ
鉄朗…来るでしょ…
来たら…逢いたくなるもん…
逢ったら…帰したくなくなる
チョコ…が完成するまではって
思ってた…の。
楽勝だと思ってたんだけど
なんか…予想以上に手こずって…
キッチンも汚いし
形は可愛くないし…
白い粉吹くし…
挙句焦がして最後のチョコまで
台無しにするし…絶望って言うか…』
ん?なんだ?
変な形?
チョコって粉吹くの?
チョコまみれのキッチン?
挙句焦げたチョコに絶望???
「…姫凪…」
『ごめん!バレンタイン明日なのに…
もう店も開いてなくて…
最悪カレー粉削って
アートみたいにするしかないな、とか
最低な事考えて…』
「…ブッフォッ!
それアリ!?逆に見てぇんだけど!」
俺の絶望をぶっ飛ばすような
姫凪の可愛い絶望に
思わず吹き出して
グチャグチャに濡れた髪を
振り乱して笑い転げてしまう