第62章 互いの熱で甘く…(黒尾鉄朗)バレンタイン2019 完結
「研磨ァ、今日は帰るわ」
「泊まらないの?」
「おー…チョット頭冷やしてから
家で寝る」
研磨の家を後にして
夜の街をフラフラ歩く
「雨でも降りゃ
また逢えるかも知れねぇなァ…」
出逢いの雨を期待するも
そんな上手くはいかなくて
それどころか
「あれ?クロ!?
クロだよね!?」
昔のオンナに会うとか
神様は俺が嫌いですか?
「お前…」
「きゃー!久しぶり!
なんかイキナリ
"もう会えない"とか言って
連絡途絶えたから
諦めかけてたんだよねー!
ね?こんな時間に一人とか
また野良猫さんに逆戻りかな?
ウチ、来る?
…バレンタインチョコの代わりに
甘いの食べさせてあげる」
俺の腕に絡みついて
軽そうなケツを振って擦り寄る
甘い香り
まぁ、そんなのアッサリ振り払う
「そんなんじゃないですぅ
俺はもうチャント…」
「またまたぁ
一人じゃん、クロ。
強がんなくても良いよ?
また気持ちよくなろうよ…
簡単な事じゃん?
ね?おいでよ、野良猫サン」
はずだった。