第62章 互いの熱で甘く…(黒尾鉄朗)バレンタイン2019 完結
「また断られたの?
クロカワイソ…」
「うっせ!研磨のバァカ!
…まじヤベェ…まじ姫凪ロス…」
付き合ってから
逢わない日がこんなに続くなんて
無かったから
ダメージ半端ない
「ウチくる?
母さんに
サンマでも焼いて貰えば?
チョコよりそっちがイイでしょ」
「は?チョコ?」
「バレンタイン
母さんがどんなチョコ作ろうか
悩んでたから
チョコなんか毎年腐るほど
貰うんだから
母さんくらいサンマにしといたら?」
そうだった。
世間様はバレンタインだった!
なのに全然逢えねぇとか
これ如何に!?
「姫凪からのチョコは!?」
「おれが知るわけないじゃん
当日くらいは逢えるんじゃないの?
知らないけど…」
アクビをする研磨を涙目で睨んで
「レポートなんか
俺が居たって出来ンじゃね?」
ウジウジした独り言を繰り返す
その日は研磨の家に帰り
研磨の母ちゃんからの
バレンタイン秋刀魚をいただき
腹は満たされたけど
「駄目だ…俺死ぬかも…」
全然満たされない心