第61章 クロ猫と傘と恋(黒尾鉄朗)企画転載 完結
俺は姫凪さんを好きになってた
認めたくなかったけど
姫凪さんが好きだった
身体が疼く日はソレを慰める場所へ
俺は帰った
そんでシレッとした顔で
紳士の様な顔で
また姫凪さんの
ぬくもりを抱き締めに行く
最低だと分かってるのに
『クロくん
好きなだけ居て良いよ』
甘い言葉に身を任せてしまう
「へいへーい。
姫凪さん、隣来て?疲れた…」
『…うん』
柔らかい身体にしがみついてしまう
散々他の女を抱いたのに
「姫凪さん…」
姫凪さんまで食いたくなる
『何?』
「…なんもない。
明日の朝、帰る。
また来るから…ベットは俺に
空けといてクダサイ」
『…うん、分かったよ』
姫凪さんの優しさにつけ込んで
”また”なんて曖昧な約束を取り付けて
他の蜜を貪る
そんな日々が続くわけないのに
なんで、バレないと思ったんだろう