第57章 ♡背中合わせの恋は今(瀬見英太)生誕記念 完結
高そうなカバンや服や
化粧品や…
「パンツ…エロ…」
『何見てんのよ!
そこだけ声に出さないで!
外に干してると危ないの!
全く…残念感しかないわね』
怒る姫凪が
エロいパンツを隠しながら
俺を睨む
て、事は…
姫凪の部屋?
なんでだ?
頭がまだ寝たまんまなのか
動かない俺に
若利達が
俺をここに運んだ経緯を話す姫凪は
『ほんと…迷惑なんだから…
大体なんで…来てるのよ
しかもマコちゃんと
イチャイチャしてさ…』
無意識なのかわざとなのか
小さな嫉妬らしきモノを
チラつかせてくる
酒に酔ってるからなのか
姫凪の甘い声と香りが
充満した部屋に酔ったからなのか
いつもの俺なら色々考えて…
いや、考え過ぎて言えなくなる事が
「妬いた?」
ポロリと口から滑り落ちる
自惚れんな、とか
言われるって思ったのに
『…悪い?
ムカツク…なんで今日に限って
ストレートに聞いてくるわけ?
本当…ムカツク…』
姫凪の唇は
素直な言葉を音にする
なんで?分かんねぇよ、俺にも。
ただ…
「悪くない
スゲェ嬉しいんだけど
なぁ?さっきの…
チャント聞いてたか?」
止まらない。
『英太?さっきのって…』
「本気だ…
姫凪…好きだ。
俺の女になってくれ」
酔って言う事じゃないかもだし
言ったって困らせるだけかもだけど
「姫凪…返事は?」
期待したいじゃないか。