第57章 ♡背中合わせの恋は今(瀬見英太)生誕記念 完結
『藤沢さぁん!
本当に来てくれたの!?
マリカ嬉しい~!』
「この前メールで約束したじゃん!
これ、この前のアフターで
前通った店のマカロン!
可愛いって言ってたから
よかったら休憩中にでも食べて?」
『うそ!覚えててくれたの!?
感動したんだけど…
ね?開けていい?!
今食べたぁい!』
目の前でキャピキャピする
姫凪…もとい。
今はマリカに
悔しくも見惚れてしまって
「あの…どうしたんです?
体調悪いんですか?」
たまたま付いた子に
心配される始末
「あの…」
「あぁ、平気。
えっと…タバコある?
忘れて来ちゃって」
落ち着け。
ここでは姫凪は
姫凪じゃない。
別人と思えば…
「マリカちゃん
はい、あーん」
「んなっ!!」
「瀬見?どうした?!」
「すんません!便所!」
別人と思っても無理!
姫凪の馬鹿野郎!!
俺の…大馬鹿野郎
かっこ悪ぃな
幻滅されたんじゃね?
『何悶えてんのよ
バカじゃない?』
そうそう
バカって思われ…
「え!?姫凪…んぐぉっ!」
『ここではマリカよ。
ったく。何来てるのよバカ。
サッサと酔ったフリして
帰れバカセミ』
不機嫌な顔してるくせに
相変わらず綺麗で
甘い匂いがして
「姫凪…」
思わず抱き締めたくなっちまう
なのに
『しつこい、嫌うわよ。
サッサと帰れる口実考えて
席に戻って来なさいね』
安定のクールビューティー…