第57章 ♡背中合わせの恋は今(瀬見英太)生誕記念 完結
帰る口実なんか
思いつかないって。
でも、いつまでも
便所前で呆然としても居られない
酔ったフリ…は苦手だし
「瀬見さぁん?大丈夫??」
「あ、あぁ。
大丈夫。最近寒いから近くてさ!
飲もう!えっと…マコチャンだっけ?」
酔っちまおう!
そんで勢いで帰ると言って
抜け出せばイケんだろ!
「おう!瀬見!お前も
今日は飲め!
俺の奢りだから!
この前競馬でマンシュウよ!」
「ハイ!ゴチでーす!」
運ばれてくる
いくらか分からない酒を
グビッと飲み干すと
思ったよりキツくて
空きっ腹には効き過ぎて
「瀬見さん?
お酒弱い人?顔真っ赤ですよ?」
「いや…全然…余裕…
チョット眠ぃだけ…」
横にいたマコチャンの肩に
コテンと頭を預けてしまう
「外の風当たりに行きますか?」
「ん?いや…ここで良い…
良い匂いすんね、マコチャン」
「は、はい!?
ありがと…」
「おい、瀬見
大丈夫か??
キツいなら先に帰っても…」
待ちに待った言葉なのに
「…まだ…余裕ス…」
こんな事言っちゃうのは
目の前の箱の中
1個減ったマカロン