第56章 ♤甘いイタズラ(及川徹)🎃Halloween2018🎃 完結
『ん、待って…
えっと…あの…徹…に
見せたいもの、が…』
「ん?なに?
まさかハロウィンだけに
コスプレしてくれちゃうとか?」
揉む手はそのままに
ニヤニヤと笑ってみせると
『…ダメ…なの?
たまには…そういう浮かれた事も…
したかったのよ!!』
真っ赤になってバタバタ暴れる姫凪
ビックリし過ぎて
キョトンとしてると
『ただ…本当はチョット…迷ってる…』
ポツリと戸惑いがちな声が落ちて
部屋の隅の紙袋に視線が移る
「なんで?
姫凪どうしたのさ?
もしかして、さっき拗ねてたのと
関係あったりする?」
ナナとジャレ合うのには
最近寛大だった気がする
それなのにあそこまで拗ねるってことは
「…図星?
チャント話して?
姫凪のそんな顔
見たくないな…俺は…」
きっとそこに原因があるに違いない
姫凪を引き起こして
ベットの上で向き合い
唇を優しく啄む
『…じゃあ…とりあえず…
見て…着替えてくる』
そう言って少しだけ部屋を出た姫凪が
着替えて来たその服は
「あ…その魔女っ子…」
さっきの再現かと思う程
色も全部ナナと一緒だった。