第55章 ♉わざと、の効果(孤爪研磨)生誕記念 完結
サッサと下げたガムシャラ案
でもそんな事言ってられない事態が
おれの向かう先には待っていた
『光ちゃんの知り合い?』
「うん!俺、木葉!木葉秋紀!
姫凪ちゃん可愛いね~
こんな可愛い子を放置して行くとか
彼氏酷くね?
なぁ?俺なんか、どうよ?」
は?木葉サン??
なんでここに居るわけ?
いつもなら木兎サンの家に来てるのは
赤葦でしょ?
赤葦はマコにしか興味ないから
安心だけど…
「俺も最近彼女に放置されて
色々溜まっちゃってさ~」
超絶危険じゃん!!
ドア越しに声だけ届いて
ずっと蓄積させてた
おれのソワソワは一気にピーク
「姫凪!!」
バタンとドアを開くと
木兎さんは居なくて
「あらあら?孤爪(カレシ)来ちゃった?
でも、今更感スゲくね?
なぁ?姫凪?」
姫凪の肩を抱いた木葉さん
よりも心を揺さぶったのは
『あ…研磨…な、によ…
来ないでって言ったじゃん!』
真っ赤な目の姫凪
ズキッと痛くなって
シクシク疼く
それでもまだ捨てたガムシャラ案は
そのままで
「うん、言ってた。
でもそれで何で来ない、になるの?
おれが来たきゃ来るよ
ね?姫凪、帰ろ?」
姫凪に手を伸ばし
なるべく冷静に話し掛ける