第55章 ♉わざと、の効果(孤爪研磨)生誕記念 完結
「大体完成まで、ひと月
ボクが声掛けても
2週間は掛かると思うから
なるべく早くデザイン決めや?」
封筒の中には
オーダーで指輪を作ってくれる
店のカタログ
他にもそういう店はあるけど
この店は昔なにかで
特集してたのを見た姫凪が
凄く食いついてた店。
昔過ぎて記憶が曖昧で見つけられなくて
詳しそうなクロの父さんに探すのを頼んだ
姫凪は忘れてるかも知れないけど
木兎さんが買った店の指輪のが
良いかも知れないけど
おれは姫凪に贈るなら
この店のって思った。
作るのは二つのリング
宝石は二個
おれと姫凪の誕生石で…
台はピンクゴールドとホワイトゴールドで…
デザインの案もなるべく細かく決めて
クロのお父さんに渡した
「仕事早いやん研磨…
こういうの向いてるんちゃう?
姫凪ちゃんに似合いそうやん」
「向いてない。
姫凪以外の人の為とか
絶対無理。」
そう言ってグッタリする、おれを
クロが冷やかす
ひと仕事終えた感が満載のリビング
でも、おれの本当のミッションはこれからで。
「それ宜しく。
おれ帰るから
鈴谷、車」
「研磨必死~」
「クロうるさい」
クロの冷やかしなんかに
構ってられない。