第54章 熱く恋、開く(宮治)生誕記念 完結
俺とお前は
「…今日サボるか?
風邪引かせたくなって来た」
『へ!?風邪アカン!
治くんもまた風邪引いてもうたら…』
「お前の記憶上書き出来るなら
風邪くらい何て事ないやろ」
今に居るんやから。
『治くん…』
「風邪が姫凪を思い出すなら
お前との記憶を上書きしたらええ
俺はお前が好きやって
嫌ってほど刷り込んだるよ』
サクラを抱き締めて
頭をなでると
肩がジワリと濡れて
”ごめん”と小さい声が届く
ホンマあほかいな。
泣かせへんって誓ったんやから
カッコつけさせぇよ
「あほか、そこは
アリガトウや
ちゅーか!彼氏が彼女の事を
一番に考えるの何か
当たり前ねんぞ!
ゴメンもアリガトウも要るか!」
サクラの髪をグシャグシャと乱し
「堂々と俺に愛されとけ
分かったか?」
赤い顔で笑いかける