第54章 熱く恋、開く(宮治)生誕記念 完結
「汗やばいな…これ風邪引くやつちゃん?」
グッタリとベッドに沈むサクラの
汗を拭いながら
まだ夢心地の唇にキスを落とすと
『…うん…大丈夫…』
なにやら少し表情の曇るサクラ
「なんや?変な事言うたか?」
キョトンとする俺に
『…えっと…別に…』
歯切れの悪いサクラ
「チャント言え、このまま学校
サボらせるぞ?」
ムニッとほっぺを抓って
目を覗き込むと
『あぅ…!なんか…姫凪…を
思い出して…あの時、風邪引いてたし…
治くん…お見舞い…行って…その…』
オドオドするサクラ
そういえば…あの風邪が
キッカケやったっけ…
まだ頭の中に残る記憶
それは俺もサクラも同じで
でも…
「あんなに激しく愛し合ったのに
冷たいなぁ、サクラ…」
『え!?違う!
変な意味でなくて…
ただ少し思い出しただけ…』
アホやな、お前は。
それはもう過去やろ?