第53章 ♡マテが終わるトキ(月島蛍)生誕記念 完結
「ヤレヤレって顔してる場合~?
姫さんが居ない状況は変わってないじゃね?」
「それな。
阿吽(あのバカ共)みたいに
なれとは言わねぇけど
もうちょいアンテナ張るべきよ?」
呆れる僕に呆れた声を掛けるのは
松川さんと花巻さん
「そんな放置してるつもり
ないですけど…」
少しムッとしながらも
見えない姿が気にかかり
「…失礼しまーす」
足は再び敷地内へ
烏野の制服は
淡い色の中では特別目立つ
早く見つけないと
好奇の目に晒され続ける
姫凪の教室、部室
…居ない?
まさかバレー部?
あの人達以外に知り合いが居るとは
思えないけど…なんて思いながらも
進めた足は
「悪いな、姫凪
呼び止めて」
『大丈夫…私も
聞きたい事あったし』
聞き覚えのある二つの声に止められた
一つは姫凪の声
もう一つは
「…姫凪
あんな事したのに
お前は相変わらず優しいのな
…ありがとな」
篠山。