第52章 ♉俺専属 姫王子(木兎光太郎)生誕記念 完結
「姫凪…?」
『…部屋…どこ?』
「え?あぁ…最上階の…」
『…行きたい!連れてって!』
その視線から逃げる様に
姫凪が俺の手を引いて
会場から飛び出した
「お、おい!姫凪?!」
いつもとは
まるで逆
俺を引っ張る強引な姫凪に
さすがに戸惑い
「待て!姫凪!」
もしかして
スゲエ無理してんじゃと思って
前に回り込んで
足を止めた部屋の前
そんな俺の目に映ったのは
「姫凪?」
『…ごめん!でしゃばって!
でも…今日は特別な日だし!
拗ねるの嫌だったし!
だから…!!ごめんなさい!』
必死に俺に訴えかける姫凪の
真っ赤な顔
姫凪の放つ言葉に
熱くなる俺の心
こんなに俺を滾らせて
震わせてんのに
「姫凪、分かったから。
チョット落ち着けって」
『ごめん…!光太郎…!
もう…でしゃばったりしない、から!』
なんでお前はそんなに
悲しそうな声出してんだよ?