第52章 ♉俺専属 姫王子(木兎光太郎)生誕記念 完結
姫凪は
ああ言う事言われると凄く傷付く
今までだって
身分だ歳の差だ…って
凹ませた事も沢山ある
泣くんじゃねぇか、とか
やっぱり自分なんか、とか
言い出すんじゃないかと
ガラになくアワアワする俺が
口を挟むより早く
「お前…」
『わ、私は!確かに使用人ですけど!
その前に、光太郎の彼女ですから!
ドレスだって…
アナタに似合ってるって思われなくても
似合ってなくても
光太郎が似合ってるって言ってくれたら
それで良いですから!!』
高く澄んだ声が会場に響いた
え?今の姫凪?
いつもの姫凪なら
こんな事絶対言わない
全部飲み込むはずだ。
なのに…
『…お引き取り下さい。
わ、私の…ですから。
アナタの出る幕はもうありません!』
目の前の敵に言い放つのは
紛れもなく姫凪で。
「な、なによ!
別に欲しくないわよ!
たまたま来たって言ってるじゃない!
バカバカしい!
せいぜい飽きられない様に
気をつけるのね!!」
顔を真っ赤にして
逃げる様に去って行くオンナを
見送った会場の視線が
残された俺達に注目してる