第49章 ♑熱く熱く近く(赤葦京治)819の日記念 完結
「甘いのか?
姫凪?」
「『え?』」
夏の体育館が凍り付く程
冷たい声が
自分から出たと気付くのに
0コンマ数秒。
『京治!あ、あの…!
あぁ!差し入れ!
持って来たの!
ね?アイちゃ…
アイちゃーん?!』
俺の不機嫌に
姫凪さんが身の危険を
感じるのも数秒
ただ
「どこ行ったんでしょうね?
かくれんぼですかね?
探しに行きましょう、ね?」
それすら遅いんですけど。
「すいません
なるべく早く戻ります」
一応木兎さんに断りを入れ
姫凪さんの腕を掴み
目的地まで
ズンズン進む
目的地?
黒尾さんとアイさんの
秘密基地じゃないですよ?
『京治?!なに、ここ?』
「良いでしょう?
ここは練習の時以外
誰も近付かないんですよ」
着いたのは
夏合宿名物
”さわやか!裏山新緑坂道ダッシュ”の山道の脇