第47章 ♉捨て猫プリンセス(及川徹)及川徹 生誕記念 完結
てっきり
いつもみたいに噛み付いて来ると
思ってたんだ
なのに
『…邪魔…だよね
分かった!
もう良いよ…!
もう、見ない!サヨナラ!
アキラさん
すいません!帰ります!』
キミは涙目でオレに爪を立てて
甘い匂いだけ残して
走り去ってしまった
「なんだよ…
もう見ないって…」
焦りを隠し呟くオレの肩を
アキラちゃんが叩き
「あーぁ。
姫凪ちゃん可哀想~
徹サイテー…
追いかけねぇの?」
耳に声を落とす
ここで追いかけたら
素直にゴメンも言える?
気持ちも少しは伝わる?
なんて、フワリと過るけど
「部活中だし。
オレには関係ないし
アキラちゃんが行きなよ
連れて来たのはアキラちゃんじゃん
家に帰ったら
謝ってあげなくない」
やっぱり素直になれなくて
アキラちゃんに背を向け
コートに戻る
別に家に帰れば居るんだし
焦る事なんかない
そう思って余裕あるフリした
キミが居るのが当たり前なんて
なんで思ったんだろうね
あの毎日が
いつまでも続くなんて
あるわけ無いのにさ