第47章 ♉捨て猫プリンセス(及川徹)及川徹 生誕記念 完結
「徹ー……坊ちゃん…
入りまーす」
警戒した声と顔
アキラちゃんの部屋に
入る時は
可愛い声出してるくせにさ…。
って!今はそれが議題じゃなくて!
「姫凪は、さ?
布施センセのとこの
お嬢様だよね?」
政界では名の知れた古参。
あった事はないけど
別に悪い噂は聞かないし
むしろ溺愛って噂。
だからこそ
「なんで家出したのさ?
泥だけで泣いてた理由は、なに?」
ヌクヌク育ってるハズの
姫凪が
家を出た理由が分からない
『今更どうしたの?
……邪魔になった?』
不機嫌な顔がオレの前で下を向く
「そんなんじゃなくて…」
『……じゃあなに?』
冷たい声にムッとする
「アキラちゃんが
聞いたら応えるクセに」
てゆっかオレと話してるのに
なんでそんな不機嫌なのさ
子供っぽい嫉妬で
ついつい僻みっぽい口調になる
『アキラさんは…』
「そんなに好きなの?
アキラちゃんの事?
残念だね!アキラちゃんには
彼女も居るし
キミみたいなチビちゃんなんか
相手にされないんだからね!」
イライラして言った言葉
しまったって思ったんだ
姫凪がアキラちゃん
好きなら
絶対泣く!!って。
なのに。
『え?知ってるけど?
アキラさんみたいに
カッコイイ人に
相手にされるとか思ってないし』
姫凪はケロリとしてる