第47章 ♉捨て猫プリンセス(及川徹)及川徹 生誕記念 完結
『……徹、オモシロイね』
小さい声がドアの向こうから
聞こえる
「ちょっと!呼び捨てにしないでよ!
馴れ馴れしいな!」
ドアの向こうに怒鳴って返すと
『ケツノアナ チイサイ
………って言われませんか?
徹ぼっちゃん』
笑い混じりの声がまた返って来て
更に頭に血がのぼる
なんなんだ!あの子は!
出て来たら
こっぴどく叱ってる!
リビングに戻って
ソファーにダイブ。
クッションをボールに見立てて
トントンとトスの練習をする
あんなガキッぽい子が
17だって??
なんかの間違いじゃないの?
からかわれただけとか?
ヤッパリ出て来たら
ガツンと説教を!
フンッと鼻から息を吐いて
クッションをギューッと
抱き締め
姫凪が帰ってくるのを待った
数十分後。
カチャリとドアが開く
よーし!ガツーン…と……?
『お風呂ありがとうございます』
ん??あれ??
「姫凪??」
ドロドロでボロボロだった
姫凪は
『はい…?』
汚れが落ちたからか
彼シャツ効果なのか
可愛いじゃん!この子!
見違える程可愛くなってしまってた
それはもう
怒るとかいう気持ちが
吹き飛ぶ程に。