第41章 恋色のバースデー(烏養繋心)生誕記念 完結
『繋心さん?
電話出なかったの怒ってる?
ねぇ?振り返ってよ』
「いや…あぁ…うん…
振り返…る、けど…」
勿体ぶってるわけじゃねぇ
振り返ったら
消えてそうで
ヤッパリ夢でしたって
オチが付きそうで
ビビって
お前を目に映せない
『…もう、良い…』
マジか!?諦め早くね!?
とか呑気に思ってる場合じゃねぇ!
慌てて振り返ろうとした
俺の目の前に
『これなら嫌でも見えますか!』
夢より記憶より
鮮やかに
『繋心さん、お誕生日おめでとう!
来ちゃいました!』
揺れる笑顔
「姫凪?」
『疑問系、傷付きます…
もう顔、忘れちゃってた?』
”忘れるかよ”
”いつもお前の事ばっかり考えてた”
”逢えて嬉しい”
”ありがとう”
浮かび過ぎる言葉を頭は選び切れず
「…オカエリ…姫凪…」
身体が先に動いちまう