第41章 恋色のバースデー（烏養繋心）生誕記念　完結

「「繋心…恥ずかしいな
素面だよな、まだ」」

ちょ！今それ言う！？
言ってから思ったよ！
恥ずかしくね！？ってよ！

「ウッセェ！
しゃあねぇだろ！思ったまんま言っただよ！
文句あっか！
じゃあ今から俺は電話のオニに…」

「オー、なれなれ。
ほら、今ここで」

「はぁ！？何でこんな所で…」

”絶対嫌だ”と断る余地もなく
取り上げられた携帯
発信履歴の一番上
姫凪へのコールがスピーカーから
鳴り響く

「だぁぁ！！嶋田！たっつぁん！！
出たらどうすんだ！」

その声は俺だけの
俺だけで聞きたい声なんだよ！

『…出ちゃダメ？』

「当たり前ぇだろ！姫凪の声は
俺一人で…じっくり…ユックリ…」

え？いや、違う。
落ち着け俺よ。
今のはよく似た誰かの声だろ？
だってコール音は
携帯のスピーカーから鳴り響いてる

『繋心さん？
じっくり、ユックリ…その続きは？』

それなのに姫凪によく似た
…いや、姫凪の声は
俺の背中をトントンと叩く様に
聞こえて来る