第5章 ♑愛されたがりの愛し方(黒尾鉄朗)クロの日 完結
「あー…そう言えば…
ナナと会うって言ってたな…」
わざとらしく言って
笑って見せるけど
姫凪が今
ナナと何を話してるのか
もしかしたら
俺との終わりの相談でもしてるんじゃないかとか
そんな事ばっかり頭に浮かんで
溜息を飲み混むだけで
精一杯だ。
飲み込みすぎたアレコレを
吐き出したいけど
目の前に居るのは
一応ライバル校のヤツで年下で
いや、でも
木兎に相談するより万倍
頼りになりそうな……
そんな事を考えながら
チラリと赤葦を見ると
「話聞きましょうか?
どうせ暇ですし」
正に神の声。
「ハイ」
迷う事なく返事して
小さいガッツポーズをした