第2章 出会い
『…ダメ。私を早く殺して…』
それを聞いたおそ松は驚いている。
まぁそれが普通か。
普通だったら喜ぶ人が多いだろう。
でも、私は今日まで生贄として
死ぬために育てられたのだ。
今更帰るわけにも行かないし、生きているわけにもいかない。
『気遣いには感謝します。
ありがとうございます。
でも、殺してください。
生贄として死ぬことが私に
託された使命です。
どうか、殺してください…‼』
泣きたいほどこみ上げてくる悲しさ寂しさ。それを抑える。
おそ松はそれに気づいたのか頭に優しく大きな手が触れた。
その手はゆっくり
頭を撫でその行動に甘えてしまいそうになりながらも必死に感情を抑え込む。
すると、
「辛かったんだよな…
今まで…
悲しかったんだよな…」
と言ったおそ松の優しい声にとうとう抑えきれなくなり、その場で涙がボロボロと出てくる。
おそ松は大丈夫大丈夫と言うように、優しく抱きしめてくれた。
それはとても暖かくて、心がホカホカした。