第8章 ☆遠くて、遠い。【西谷夕】休止してます、、、
バチっと合わさる目線。
目の前にいるオレンジ色の彼はやっぱり私より小さくて、でも存在感があって。
彼の隣にいる烏野の坊主の人も、固まったように私と黒尾さんを見てくる。
「…ほら、行ってこいよ」
ポンっと黒尾さんに背中を押され、何か私が話さなければいけない状況になってしまった。
…あぁ、どうしよう。なんて言おう。
何を言えばいいんだろう、初対面なのに。
緊張のあまりうるさく鳴り響く心臓と、彼の真っ直ぐな視線に私はかなりオドオドしてしまっている。
だってもともと初対面の人と話すのは苦手なのに。しかも相手は他校の男子なのに。
「…?俺に何か用っスか?」
すると黙ってしまった私を見て不思議に思ったのか、先に口を開いたのは彼の方だった。
キョトンと首を傾げる彼。
言え、なんか言え自分。後からどうせ後悔するんだから。
「あ、あのっ、連絡先教えてくださいっ!」
咄嗟に出て言葉は、あまりにも自分の中で想定外な言葉だった。
…こんなことを言うつもりじゃなかったのに…っ。