第8章 ☆遠くて、遠い。【西谷夕】休止してます、、、
研磨はそのまま、自分の部屋に戻って行った。
…珍しいな、研磨。
烏野と何かあるのだろうか。
…正直、私、一度も楽しみなんて思ったことない。
もちろんプレーヤーじゃなくて、マネージャーだからっていうのもある。
いや、でもマネージャーでも練習試合を楽しみに思う人だってたくさんいるはず。
でも、私は思えない。
…あぁ、現役のあの頃は思ったこと何度もあったっけ。
ふとよぎる中学の頃の記憶はどうしてかあまり好きになれなくて、思い出しては知らないフリをする。
はぁ…と小さくため息をついて部屋のドアを開ける。
ひとりぼっちの部屋はいつもより何だか寂しいと感じた。
そして烏野との練習試合当日。
集合して並ぶ烏野の中に小さな男の子が2人。
1人はどうやら研磨の知り合いっぽい。
あ、この子がいるから楽しみだったのかな。
でも、あのもう1人…
チラッともう一度彼のことを見てみるとかなり小さい。
160…ある?
私、163あるけど私より小さいよね…。
…リベロ、かな。
でもそしたらもう1人の研磨の友達は?あの子もリベロ??
未知数な烏野のことなんて、何にも分からなかった。