第7章 *優しいとこも好きだけど【菅原孝支】
上半身にも伸びてくる手。
距離が近すぎて、私の顔にかかるスガの髪がくすぐったい。
「ふぁっ、んっ、あぁ…っ」
胸の先端に与えられる刺激。
太ももに這わせている手。
両方からの刺激に耐えているはずなのに、声は止められなくて、だんだん意識が朦朧としていく。
「やっ……つねらないでよ、ばかぁ…っ」
「ごめんごめん、つい可愛くてさ」
ニッと笑うスガ。
…あぁ、私、スガのこの笑顔が好き。一番大好き。
ふにゃっとして垂れ下がる目尻も、
その柔らかい髪も。
スッと彼の泣きぼくろに手を伸ばす。
優しく触れれば、彼からの刺激が止まる。
「どうした?」
「…私、孝支のこと好きになって良かったなって」
するとスガはちょっとだけ驚いて、私の言葉が恥ずかしかったのか、一瞬目をそらして、
ちょっとだけ拗ねたような顔して私の目を見る。
「…なんだよ、俺の理性奪っていくつもりかよ」
苦笑いするスガ。
でも余裕のなさそうな顔してる。
…きっとこのうるさい心臓の音は彼の音。
おわり