第7章 *優しいとこも好きだけど【菅原孝支】
…満足してるの、別に。
スガ優しいし、私のことたくさん笑わしてくれるし。
でも、欲は溢れるほど出てきてしまう。
もっと、私のことを女の子として見て欲しい。
私はあなたの娘でもないし、妹でもないんだよ、スガ。
「私のこと女として見てよ……」
口から溢れた言葉は私の本音で、スガに言いたかったことで。
でもやっぱり口に出すと恥ずかしくて。
後悔しなくていいはずなのに、後悔してしまう。
「…俺、そんな優しくないけどね」
「えっ…」
パッと顔を上げてスガを見たら、真っ直ぐな目で私の目を見た。
真面目な、いつものふにゃっとしたスガじゃない顔。
…初めて見た表情。
なんとなく次の言葉を出しにくい雰囲気。
スガ、呆れてる?怒ってる?
…全然分かんないよ。