第6章 ♢キスしてそれからは【木葉秋紀】
それからの時間は最悪だった。
いつもあんなにクラスで話していたのに気まずくなってしまい、木葉とは全く話さなくなった。
部活でも必要最低限の会話だけ。
…でもお互い気まずそうに、ぎこちなく。
その度に何度も思った。
…あーバカなことした。
雰囲気に流されてキスするとか、ガキか私。
しかも木葉も木葉だ…、元はと言えば木葉が…っ。
そう思っても木葉だけの責任ではないし、うまく責めれない私は何度も深いため息をついた。
こんなはずじゃなかったのに。
木葉とは友達だと思ってたのに。
ずっと仲良くできると思ってたのに。
…今思えば、部活で悩んだ時も、クラスで他愛のない会話をしてくれたのも、全部全部木葉だった。
辛い事があっても慰めてくれたのはあいつだ。
なのにどうして今、
私たちはこんなことになっているんだろう。
そう思うと何だか胸が苦しくなって、悲しくなった。
痛い、こんな思いしたいわけじゃない。
…木葉が消えた私の生活はこんなにもつまんなかったなんて。