第5章 ☆告白のタイミング【岩泉一】
その後私たちは何も話さないままでいた。
ハジメくんが満足するまでのこの時間は、一瞬で過ぎていった。
「わり、シホ…こんな時間まで話しちまって…」
「ううん、私から来たんだもん。たくさん話聞けてよかったよ」
ハジメくんが私から離れる。
さっきまであったぬくもりが消えて、寂しさが増す。
…あぁ、言わなきゃ。
いい加減伝えなきゃ。
そう思うと心臓がドクドクと鳴り出して少しだけ苦しい。
フラれたら…ううん、そんなこと考えたくない。
幼馴染じゃ我慢出来ないの。
もっとハジメくんの近くでたくさん話を聞きたい。
こんな関係じゃ足らない。
もっと、もっと近い存在になりたい。
「ハジメくん」
「どうした?」
キョトンと首を傾げるハジメくん。
そんなところも大好き。
こんな時に言ってごめんね、今しかないんだ。
「大好きだよ、ハジメくん」