第5章 ☆告白のタイミング【岩泉一】
「その後皆んなで飯食いに行って…あ、国見と京谷は帰ってたな。
それで金田一ずっと俺と松川の前でずっと泣いててさ、すごかったんだぜ、本当に。
…でそのまま3年だけで体育館行って、バレーした。
7人だと人数微妙で、しかも吐きそうだったよ。
そんでその後……」
ハジメくんの話は一度そこで切れた。
さっきまで楽しそうに話をしてたのに、いきなりの沈黙。
…少しの沈黙の後、首元に落ちた水滴。
今度はきっと髪から落ちた水滴じゃない。
「…せっかく平和に終われそうだったのによ、及川のやつ、
"3年間ありがとう!!!"なんて、泣きながら大声で叫んだんだよ。
………あいつ、あんなめんどくせぇやつなのに…な」
きっとその瞬間、ハジメくん含めた及川くん以外の6人も泣いたんだろう。
3年だけしかいない、その空間で。
私はただ、ハジメの背中に手を回して彼の背中をゆっくり叩いた。
…青城は、本当に強いチームだと思った。
「シホ、お前って本当優しいよな…」
「んー?ハジメくん限定だよ…」
「…?今なんて言った??」
「泣き虫はたくさん泣いていいよ〜って言った」
「泣き虫じゃねぇよ!!」