第5章 ☆告白のタイミング【岩泉一】
その後青城の人たちはバスで帰っていった。
今日、ハジメくんに会いに行くなんてダメかな。
いや、会ったとしてもなんて言えばいいの。
…でも、それでもやっぱり会いたい。
私じゃ何にも出来ないけど、それでも会いに行きたい。
こんな勝手で本当にごめんね、ハジメくん。
午後8:35
私は隣にあるハジメくんの家のドアの前に立っている。
インターホンを押さず8分くらい経過した。
チキンだな、私って。
なんとか勇気を出してインターホンを押す。
心臓がバクバクしているのは、緊張と少しの恐怖。
恐怖の意味はもちろん…言葉のことだ。
十数秒待つと家の中から足音が聞こえてきた。
…とうとうきてしまう。
「…お、シホか」
「は、ハジメくん…」
出てきたのは少しだけ目元が赤い、ハジメくんだった。