第5章 ☆告白のタイミング【岩泉一】
…本当は、彼が引退してから告白するつもりだったんだけどね。
なんか告白なんてしにくくなっちゃったな。
白鳥沢に負けたならまだしも…いや、それもそれでやっぱり悔しいけど、まさか烏野に負けちゃうなんて。
及川くんとのコンビ、私最強だと思ってたから。
試合なんだから勝者と敗者はもちろん明確にされる。
分かってた。それは彼も分かっているはず。
でも絶対、悔しい。
当たり前だけど悔しい。
…私は次、彼に会ったらなんて言えばいいんだろう。
軽々しく慰められるような存在じゃない私は、いつ彼に会っていいんだろう。
…幼馴染なんて関係、近くもない。
彼女だったらよかったのに。
あなたが私のこと、好きだったらよかったのに。
…なんて、今考えるなんて馬鹿だよね。
ねぇ、なんて言えばいい?ハジメくん。