第4章 *敬語系男子【赤葦京治】
「……襲われたいの?俺に」
「…っ」
襲われる。
つまりはそういう意味だよね、やっぱ。
やっと今赤葦の言っていたことを理解した。だから赤葦は逃げていたんだ私から。
自分の鈍さに苦笑しながら赤葦を見つめると、少しだけ顔が赤くなっていた。冷静で大人びている彼の顔が。
あぁ、でも。
「赤葦になら、別に……」
別に何されても構わない。
さすがにそこまでは言えなかったけど、赤葦は理解してくれるはず。
「……嫌だって言ってもやめないから」
「…っ、」
そう言った赤葦はもう、完全にスイッチが入ってた。
…別に何されても構わないけど、なんか私どうすればいいんだろう。
「赤葦………んっ」
赤葦の口によって塞がれた私の口。
キスなんて何度もしたけど、一段と今日は緊張してしまう。
赤葦は基本優しい。
キスだって、抱きしめてくれる時だって。
でも今は少しだけ…強引だ。