第1章 *とっくに普通以上だったよ【国見英】
…なのにどうして、
こんなにドキドキしてるんだろう?
密室だから?それとも2人きりに慣れてないから??
「ちょっ、国見くん…!恥ずかしいからストップ!」
ダメ、本当に限界。
恥ずかしくて死にそうだ。
「これで恥ずかしがるんだ。
前田って本当、可愛いよね」
「…っ!?」
可愛い?
国見くん、人に可愛いなんて言うの??
なんかもう意味がわからない。
私のこと可愛いってなんなの。
でもなんで今日の国見くんはこんなに…
目が離せないんだろう。
「国見くん、煽ててもなにも出てこないよ。
とりあえず離そう??勉強出来ないし…」
離れたい。
とにかくこのドキドキから逃れたい。
その国見くんの目に、国見くんの温度に、
恥ずかしさで殺されそうになる。
「無理。
好きな子前にして、部屋で2人きりとか勉強出来ないし」
さらっと言った国見くんの顔はいつもと変わらない。
あの大人びた感じの表情だ。
…好きな子??私のこと??