第4章 *敬語系男子【赤葦京治】
赤葦と私は今年、高校2年。
つまり3年の先輩達と話す赤葦は敬語を使うことになるということだ。
…それがたまらなく私は好きらしい。
「……私、赤葦の敬語使う姿めっちゃ萌える」
「萌えるのは止めようか」
「じゃあ、大好き」
もちろん私と話す時の赤葦だって好きだ。
綺麗な言葉遣いと落ち着いたその声。
何度もその声に落とされた。
でも私にはしないその言葉遣いが、たまらなく私をドキドキさせる。
「だからね、赤葦」
変な意味はないんだよ?本当に。
ただ、好きなだけ。
「1日だけ私に敬語で話してください」
「やっぱりそうきたか」
赤葦は半笑いでなお、少し引いたように見える。
だってそれぐらいなんか、赤葦の敬語は良いんだもん。
きっとこの気持ちを分かってくれる人はいるはず。
いや、絶対いるね、うん。
「いやだよ、そんなの」
「お願い赤葦!!一生のお願い!!」
1日だけ味わってみたいの、あの感じ…っ!!!