第3章 ♢少女漫画以上のことを【月島蛍】
○おまけ
「山口、次移動教室」
「あ、そっか!ごめんツッキー!」
そう言って慌てて教科書を持つ山口。
その時鋭い視線を感じて山口の横を見ると、僕のことを睨みつけてくる女子。
「前田さーん、そんな眉間にしわ寄せてたらブスになるよー?」
腹立たしい言葉で彼女をいじると、ムッとした顔で僕のことを見る。
…こんなこと言うつもりじゃなかったのに。
「あ、前田も一緒に行こうよ!」
なにも知らない山口はにこーっと笑って言うが、前田さんは目を見開いて顔を横に勢いよく振った。
「いやだいやだいやだ、襲われる!!」
「えっ!?襲うってなに!?」
逃げるように教室を出る彼女。
山口はひたすらあたふたしてるけど、何か分かったように僕のことを見た。