第3章 ♢少女漫画以上のことを【月島蛍】
「…ツッキー、昨日前田に何したの??」
特に責めるような言い方でもなく、いつもの山口の言葉でそう言ってきた。
なんでこう、感がいいかな。
「襲っちゃったの?」
「は、はぁ?なんで僕がそんなことしなきゃいけないの」
「だってツッキー、前田のこと好きだよね?いつも見てるし。
昨日だって忘れ物とか言ってたけど、窓際にいる前田のことが見えたから戻ったんじゃないの??」
なんでそんなとこまで分かるの。
意味分かんないんだケド…っ。
出来るだけ平然を装っていたつもりだけど、どうやら全て山口にはバレていたみたいだ。
そう思うとなんだか……
なんかもう言う言葉が見つからない。
「置いてくよ、山口」
「ええ!置いてかないでよー!」
……前田さん、絶対逃がさないから。
おわり