第3章 ♢少女漫画以上のことを【月島蛍】
……ずるいよ、月島くん。
一瞬で私の心、奪っていくなんて。
月島くんの暖かさがなんとも言えないくらい気持ちよくて、抱きつかれたままなにも抵抗せずにいた。
むしろ自分からも彼の背中に手を回してしまった。
月島くんの抱きしめる強さが少し強くなって、彼は一度私から離れた。そしてニヤッと笑う。
「まんざらでもなさそうだね、前田さん」
「……っ」
「あー、キスもっとしても大丈夫みたいだね。
分かってないみたいだけど、後ろは窓。
簡単に外から見えるのにそんな溶けたような顔してて大丈夫?」
その言葉にドキッとしてしまう。
しかもここは教室だ。簡単に受け入れてる場合じゃない。
「ダメだって月島くん…っ!」
「なんでダメなの?そんな顔真っ赤にして」
「んぅ…っ!」