第3章 ♢少女漫画以上のことを【月島蛍】
「……僕、興味ない人にこんなに話さないよ」
興味ない人。
じゃあ私には興味があるってこと?
少し不機嫌そうに彼が言う。
きっと私が月島くんのことを問い詰めてるみたいなものだからだろう。
…こっちはあなたのせいで心臓バクバクなの。
はっきりしてほしい。
「月島くん……んんっ」
気付いたら目の前は月島くんだけで、
キスされてるって分かったのは3秒後くらいのこと。
「……好きなんだよ、前田さんのこと。…察してよ」
月島くんは一度離れて拗ねたように言うと、
ぎゅっと私を抱きしめた。
少し顔が赤くみえたのは気のせいじゃないはず。
「ねぇ、月島くん…っ」
強引だ。
私は月島くんのことなんとも思っていないのに。
…思っていないはずなのに。
どうしてこんなに胸が苦しいんだろう。