第3章 ♢少女漫画以上のことを【月島蛍】
「この先何されるか想像できるよね?」
この先。
両手で顔を触られているこの先。
勝手に想像するならなんとなく予想はつく。
少女漫画好きならある程度予想するであろう。
…けど、それって私たちみたいな関係の人がするものではないはず。しかも月島くんとは今日初めて話したようなものだ。
分からない。
月島くんの考えてることが全く分からない。
「…なにするの、月島くん」
「…分かってないわけじゃないデショ」
「月島くんがどうして私にそれをしようとしているかが分かんない」
冷静に答えているようにみえて心臓バクバクだ。
だって月島くん、普通にかっこいいもの。
身長だって高くて、見下ろしてくるその目がどうも意地悪なのに見とれてしまう。
まるで少女漫画に出てくる意地悪なヒーローみたいに。