第3章 ♢少女漫画以上のことを【月島蛍】
「…っ!」
こういうこと。
彼が今私にしているのは世でいう壁ドンというやつ。
まさか自分が経験するなんて思ってもみなかった。
非現実的な今の状況と予想外の出来事に私の頭は当然追いつかず、体が固まってしまう。
「あれ?憧れてたんじゃないの?こういうコト」
最高に意地悪な言い方で、私をからかって楽しんでる。
反抗したいのに、なにも声が出ない。
熱い。
恥ずかしくて死にそうだ。
「顔真っ赤だよ〜?もしかして緊張してる?」
月島くんはどんどん言葉を並べていく。
なにも反抗出来ない、悔しい。
すると彼は両手を私の頬に添えた。
「…っ、つ、きしまくん…」
顔が近い。
月島くんの整った顔がめいいっぱいに目に映る。