第3章 ♢少女漫画以上のことを【月島蛍】
「……前田さん?」
ドアの方から私を呼ぶ声がした。
「あ、月島くん」
同じクラスの月島くんだ。
あんまり話したことないけど、すーっごく静かそうな人。
山口くんと仲良いよね、私山口くんとなら話したことあるけど。
今席隣だし。
「何してるの?」
「あー、勉強してて」
月島くんはてくてくとこっちに歩いてくる。
うわわわ、身長高いなぁぁぁ。
さっきは遠くにいたから分かんなかったけど、近くに来るとすごい迫力。
さすが、バレー部だ。
そんなこと思っているのがバレたのか、月島くんの眉間にシワがよる。
「人を変な目で見ないでくれる?」
「いやなんか、怪獣が迫ってきてる感があって…」
「なにそれ」
いや単に月島くんがデカイからなんだけどね。