第1章 *とっくに普通以上だったよ【国見英】
あぁ、どうしよう緊張する本当に。
だっていくらなんでも国見くんだって男の子だ。
あんなやる気なさそうで無気力で…って両方同じ意味だ。
そんな国見くんでもやっぱり意識してしまう。
なんとなく落ち着かなくなって、さっき入れてもらった国見くんの部屋をキョロキョロと見渡す。
物が少ない…でもやっぱ綺麗だなぁ。
あ、でも少し机の上は散らかってる。
国見くんがいつも生活してる部屋。それを考えるだけで少しだけドキドキしてしまうのは変態かな…。
「そんな部屋見られるとなんか怖い」
「怖い!?いや、綺麗だなぁって!!」
「まぁ、前田が来るから少しは片付けたけど」
そう言って国見くんは机の上から英語の教科書を探す。
…私が来るから片付けたんだ。
なんだろう、少しだけ照れる。
私なんて本当、ただの友達としてしか思われてないと思ってたけど、女の子扱いしてくれてるんだ。