第1章 *とっくに普通以上だったよ【国見英】
私と国見くんは恋人同士ではない。
少なくともお互い嫌いではないし、普通以上の関係だとは思う。
もちろん私は国見くんのことは人として好きだし、もっと仲良くしたいと思ってる。
…でも今回は少しやりすぎたかもしれない。
「前田??」
「あ、ごめん…聞いてなかった」
「まぁ別にいいけど」
テスト期間中で、
今回のテストに危険を感じた私は、
仲のいいそして頭のいい国見くんに勉強を教えてもらうことにした。
そこまではよかったの、そこまでは。
「じゃあ、俺の家来る?」
その話をした瞬間、国見くんはあっさりそう言った。
…誰もこんないきなり家に誘われるなんて思わないでしょ。
しかもあの無気力国見くんに。
放課後教室で、とかの予定だったのに、まさかの休日国見くんの家でって。
…さすがにいくら友達の国見くんでも緊張する。