第2章 ♢キスしてください【影山飛雄】
「ねぇ、」
「なんだよ」
「キスしてほしい」
「はぁ!?」
私は唐突にそう言った。
もっとくっつきたい、溺れたい。
飛雄はかなり慌てた様子であたふたしてる。
…可愛い。
「ふふ、可愛い」
思わず言葉にすると、とても不機嫌そうな顔。
あ、嫌なんだな、可愛いって言われるの。
「…可愛いのはどっちだよ」
飛雄は私のことを真っ直ぐ見つめたまま、
両手を顔に添える。
…体が熱い。
「…下手でも笑うなよ」
「笑わないよ…んぅっ」
降ってきたのは柔らかいキス。
なんだ全然下手じゃないじゃないか。
甘いのに熱い。
溶けるような感じなのに燃えそう。