第2章 ♢キスしてください【影山飛雄】
「………会いたいって言ってくれればいつでも来るぞ」
「えっ…」
飛雄は少し恥ずかしいのか目をそらして、ボソっと言った。
「…俺、部活あるからすぐにとは無理だけど
出来るだけなら別に来るし」
そう言った後、彼は私から完全に目を合わせない。
でも頬が少しだけ赤いのはなんとなく分かった。
どうしようもなく嬉しくて、
さっきまでダラダラと悩んでた自分が馬鹿みたいだ。
「って、あんま見んなよ!!…ボケ!!」
やっとこっちを見た飛雄の顔は真っ赤だった。
照れ隠しの暴言もなんだかすごく可愛らしく見えて、
すごく愛おしい。
好きだ、どうしようもなく好きだこの人のこと。
…今だって、私に会いたいと思ってきてくれたんだから。