第2章 ♢キスしてください【影山飛雄】
ていうか、よくそんなセリフ軽々言えるなおい。
「なにそれ、意味わかんな…ってなに」
「俺にLINEするつもりだったのか?」
ひょいっとその高い身長で、私が持ってるスマホを覗き込む。
そうだ私、ふざけて送ってはないけど「会いたい」とか打っちゃってある…!!
「違うから、なんでもない!!」
ばっと飛雄に見られないようにスマホを隠す。
こんなもの見られたらなんて言われるか…っ。
消し損ねたそれは、誰にも見られず消えるはずだった…
…のに。
「会いたい?なんか送られてきたけど」
「…え?」
なんか嫌な予感がする。
恐る恐るスマホを開いてみると、いつの間にかその4文字はトーク画面の方は動いていた。
隠すときに必死になりすぎて、送っちゃったってこと…?
「あっ、えっと、ほら!全然会えてないなぁーって!ね!はは」
私の焦るわざとらしい笑いは、本当にひどかった。